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ノーマライゼーションの原理
           ノーマライゼーションとは、ノーマルな生活条件を整える
          ことであり、ノーマルな人間に変えることではない。


 施設では、ノーマルな生活がわかっていない子供が育ち、大人になってデイセンター(作業所)に通うようになっても何とかして外に出て親たちに会いたいと言う気持ちを持ち、また、将来について期待していないことに気付く。
 グループホームは、一般住宅と同等であり、日常生活が順調に送れるにもかかわらず、新しい施設を作る時、いつもなぜ無駄遣いをするのかと言われていた。
 アメリカで最高だといわれる女学校を見たとき、そこでは40人が横に並んで寝ていた。当時スウェーデンでは、10人でもだめだと言われていた頃にである。その時世界はまだまだ送れていることに気付いた。


 ノーマルな生活条件(八つの原理)

1、ノーマルな1日のリズム
●ベッドを離れる。洗顔、トイレ、朝食。
●住んでいるところを離れる。学校や仕事に行く。
●早く寝なくてよいこと。
●親たちにもリズムがあるべきで、援助を受けられるべきである。(朝、夕)
●ADLトレーニングができる。
●安心するようになる。
●在宅者は、過程で援助を受けれるべき。

2、ノーマルな1週間のリズム
●家庭に自分の好きな置物を置く。
●お互いに勉強や仕事をしていくことが必要。
●他人と共に学ぶ環境を持つ。
●余暇の時間、休息、好きなことをする。(政治、宗教含む)
●行政がかかわる必要がある。

3、ノーマルな1年間のリズム
●四季によって違う服装をする。アメリカで、一年中ジーンズとTシャツというのを見た。
 自然と触れ合うことがない。
●休暇を取ったり、誕生会に参加できること。
●時間に関するもの、成長の変化や行程。

4、ノーマルな人生のリズム
●子供のときなりの、いろいろな刺激を受け入れる。
●その人が必要なだけの刺激を受け入れる。
●感覚障害に対するトレーニングができる。
●教育を早めにはじめる。
●友達同士での生活体験ができるべき。
●学校の帰り道などで学ぶことは多い。
●家事、家計をする。
●成人教育も重要。(スウェーデンでは、余暇活動として国民大学と呼ばれるところで、
 1年間特別教育を受けたりする。しかし、入院施設ではありえない。)

5、ノーマルな性的生活をする権利
●すべての障害者を対象にすると認知されなかったであろう。

6、その国におけるノーマルな経済的生活水準を得る権利
●知的障害者の間では、特に重要。

7、ノーマルな住居、環境水準を得る権利
●教育や住宅、余暇について。

8、自己決定権と個人としてノーマルに尊厳を受ける権利
●選択の自由と自己責任。
●住居、趣味、好みについて、いやなものはいやと言う。
※入所ではノーマルな生活はできない。