8.アルツハイマー協会
 NSWアルツハイマー協会は非営利コミュニティ―組織で、痴呆を伴った人々やその家族にサポートサービスを提供し、また痴呆症ケアに携わる職員の訓練も行っています。1982年に設立され、アルツハイマー病と他の痴呆症について、地域理解を深めてもらう啓蒙活動も行っている。またこの協会は、政府と産業団体に痴呆症とその家族によりよいサービスを提供してもらうための代弁者としての役割も担っている。具体的な活動内容としては、カウンセリングサービス、電話相談、サポートグループの立ち上げ援助、介護者教育、職員教育などがあげられます。
【家庭的雰囲気】
 
このセンターは、痴呆症の人に必要とされる機能と、家庭的な環境としての方向性をもっています。痴呆症の人たちが、このセンターを訪れるときは、家族が介護者として同行しており、彼らは図書館を利用したり、カウンセリングやトレーニングセミナーに参加したりすることができます。この間、痴呆症の人たちは、デイケアセンターで介護を受けます。専門のトレーニングを受けたボランティアの援助のもと、痴呆症老人用にプログラムされた活動に熱中します そのため、デイケアセンターでは、痴呆症の人たちは自由に動き回ることを許され、しかも常に、トレーニングされたスタッフに見守られています。センターでは、痴呆症の人たちが、自分が特別で価値のある存在だと感じられることに力を入れています。
【思い出のある時代を演出】
 
センターの環境は、痴呆症の人たちが過去の良い思い出を反映させるような装飾に設計されています。これらは、老人たちに親しみやすい、50〜60年前の家によく見られる装飾品の取り合わせが取り入れられ、穏やかな色調が、センター全体を通し使われています。浴室やトイレは、他と違う色で強調され、昔よく使われていたデザインで痴呆症の人たちの失禁などに対応するため高品質のビニール生地で装飾されています。床材も、ゴムの裏張りや防腐剤加工により、衛生的で失禁にも耐えられるようなものになっています。
【魅力的なキッチン】
 
キッチンは機能的であるだけでなく、魅力的で痴呆症の人たちが簡単に出入りできるようになっています。キッチンには、昔懐かしい道具が置かれており、これは痴呆症の人たちにとってここでの様々な活動のヒントになります。電子レンジなどの現代的なものや、触られたくないものは視野に入らないように配慮されています。
庭園このセンターには、オーストラリアで最も大きな、痴呆症の人用の庭園があります。これは、様々な活動や安らかな気晴らしを促す、安全で親しみやすい環境を提供しています。造園設計では、まっすぐな歩道の配慮を避け、混乱の可能性を最小限にしています。それぞれの歩道は、小鳥の水浴び場や、鉢植えのある場所などへと続いています。庭全体は、目立たない囲いで守られており、痴呆症の人たちが堂々と歩きまわれるようになっています。この専門的に設計された庭園は安全で、興味深い様々な活動に参加する機会を与えています。



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